ロンド
康博 鈴木
忙がしさに身をまかせて
母の日さえとうに忘れてた
幼い頃の私を
なつかしむ気持ちがわかる
あなたの人生には
いつも私がいるのに
新しい年を迎えるたび
離れてゆく
母はいつまでも
子どもに追いつけない
陽ざしが部屋の奥まで
差し込むころまでに会えるだろか
今こうして生きてることさえ
あなたの望んだ道じゃない
ようやく人の世が見える年頃になり
今もう立ちどまっていては
ひとときが惜しい
あなたの人生は
いつも待つことばかり
それでもなぐさめのことばは
いらないだろう
母はいつまでも
子どもに追いつけない