冬の終り
Yumi Matsutoya
帰り支度の教室で
ふいに手紙を渡された
いつから 口もきかない私達
もう長いあいだ
試験休みが明けたなら
あやまりたいと思ってた
あれから 顔を合わせることもなく
卒業してしまった
頑張るあなたが憎らしかったの
置いてきぼりにされるみたいで
傷つけた 迷ってた
同じだけ淋しかった
冬の終りが来るたびに
あなたの文字を思い出す
なんだか 鼻のあたりがつんとする
木の芽の香りかしら
夢見る私をまだ笑ってるの
ノートを借りたあの日のように
探してた 悩んでた
わけもなく不安だった
何を綴ってもうそになりそうで
返事を出せず月日は流れ
なぜかしら どこからか ふと蘇る
あの頃の私達
同じだけ楽しかった