静かなまぼろし
Yumi Matsutoya
通りのドアが開き 雑踏が迷い込む
そのときまぼろしを見てる気がした
小走りのシルエット ガラスを押して
あなたが店に入ってきた
もしも微笑み この席で向き合えば
時は戻ってしまうの遠い日に
全てをわかち合い 歩いた二人が
今では柱越し別のテーブル
誰かとメニュウを選ぶささやき
ふりむく勇気がなかった
会わない日々を云いつくす言葉など
もういらないの気づかずいて欲しい
昔の恋をなつかしく思うのは
今の自分が幸せだからこそ
もう 忘れて