両忘
Kentaro Kobuchi
「真実」の反対は ただの「嘘」でいいのか?
それだけで回る世界なら
「情け」なんて言葉 もう死語だね
三面鏡にしか映らない 横顔があるように
君にも見えない君を 誰かが見てる
過ちの裏には 心 抗った爪痕
自分につけなかった嘘
隠せば隠すほど 記憶の中で暴れる
真実は 誰にも懐かない
口を噤んでても 身振り手振りはお喋り
漂う空気を消すように 振り撒く 笑顔のスプレー
反面教師と諭すように 人の不幸 指差せば
いつか当たるぞ 自分の打った流れ弾に
間違いは晒され 正しさだけが正解のニュースから
何を感じればいい?
踏み外し 叩かれ ズタボロでも這い上がり 見上げる
瞳にも晴天を
心に触れる度 君の表情がロックする
怖いんだね 人を信じるのが
過ちの裏には 心 抗った爪痕
自分につけなかった嘘
記憶の影に待つ 自分の肩を抱き寄せ
いつしか 話せる日が来る
待ち侘びた夜明けを 包み込む光の中
静かに 歩き出せたらいい