夏の二週間
珍化 康
声が聞きたくてかけた電話に
波音が響いたらきっと驚くでしょ
はき慣れたハイヒール
脱いである日何も言わず
街を出たから
あなたがわたしをわたしがあなたを
振り返るための夏の二週間
恋は終わりねといつか泣いたけど
半分は本気
とても悩んだわなぜかあなたの
仕草からこぼれてる違う恋の気配
これ以上切り出して
自分だけが傷つくのが
恐かったから
素肌を合わせて分けあうやさしさ
離れて見つける夏の二週間
イエスかノーかの答えじゃないこと
わかってるだけど
あなたがわたしをわたしがあなたを
思い出すための夏の二週間
海岸の町の汐風にのせて
愛してる あなた