9月半島
祐穂 岩里
果てしない青さを
海まで追いかけたくて
砂の残る素足で
錆びたぺダル漕いでゆく
光のモスリンが
柔らかな風を編んで
流れだす黒髪も
ほら 息を切らし走る
輝いた翼になる
波のしぶき聞きながら
心は弱さ責めるけど
許せなかった‥・
帰れなかった‥・
忘れたかった
自転車を休めて
木影で汗をぬぐった
急ぐたびに誰もが
なぜ何かを失うの?
振り向くこともできずに
今は空の下にいる
遠い子供にもどってみる
沖に遊ぶ
鳥のように 自由でいたい
波のしぶき聞きながら
だけどつらくなった時は
夢でもいい Ah~
あなたがいい 思い出でいい
果てしない青さを
海まで追いかけたくて
息を切らして走る
ああ 傷つけあうよりも
今 一人をえらんだの