夏のペーパーバック
Eiichi Ootaki, Takashi Matsumoto
渚に吹く風が涼しすぎるね
プールサイドヘと陽が傾向く
波を見てくるわって ビーチに消えた
君を探しに行く気もない
白い寝椅子の上に 薄い paperback
ページの端を折って 投げ出したままさ
最後のシーンまで想像つくよ
避暑地で逢えた君がヒロインなら
君が夢見るほど素敵じゃないさ
ただの脇役だよ ぼくなんてね
手のひらに氷のかけらをのせて
溶けてゆくのを じっと見てた
ここで出逢った事を 悔やみかけた
風がページを飛ばす 物語の中
最後のシーンまで想像つくよ
真夏のペンが綴る ロマンスなら
ありふれた終わり方なら
ぼくなりに書き換えたいね
渚に吹く風が涼しすぎるね
プールサイドは人気もない
波を見てくるわって ビーチに消えた
君を探しに独り 歩き出すよ
夕映えに影をひいて