stay
東子 古内
頬に落ちたまつげを取って
ふいに抱き寄せられた夜
あの時のあなたの温度、
何度も思い出そうとした
紺色の大きなコート
大好きなにおいとぬくもり
あの頃のあなたの笑顔、
何度も思い出そうとしたの
いつからだろう
ほんの小さなやさしさが
消えてしまったのは
stay
どんなスピードで走っても
stay
その背中だけを追い掛けたかった
今ではもう遅いけど、遅いけれど
巻き忘れた時計が少し
遅れてやがて止まるように
大切なものはいつでも
音もなく壊れていくのね
ほんの小さな言葉も
ふたりには必要だったのに
stay
いつかあなたが立ち止まり
stay
振り返る時に初めて気づくでしょう
すべてが変わったことも、
終わったことも
stay
どんなスピードで走っても
stay
その背中だけを追い掛けたかった
今ではもう遅いけど、遅いけれど
stay stay