密
Keina Suda
心に隠した言葉ひとつも
口に出せずに消えていってしまう
それすら あなたに悟られぬようにと
尚更 遠く離れてしまった
夜を越えて また越えて
また大嫌いな朝が来る
ぼやけた街の鮮やかさなんて
今日のことを教えておくれ
なにも言わず また目を伏せる
日々の隙間に潜り込んで
僕ら さよならを誓った 今日も
僕らの仕草は互いを映して
気付けばそれが恐ろしくなっていた
「望んだ未来だ」と騙されたほうが
どんなにいいか 気儘でいれたか
喜雨は已んで 待たないで
また大嫌いな夏が来る
過去からくすねた優しさなんて
今日のことを教えておくれ
色褪せないまま 日は暮れる
窓をつつく雨音がいま
何処か 懐かしいと思った
日に日に増した 傷跡だけが ただ 愛しさを残して
明日 素直になれたらいいって また祈った
静かな夜は頻りに傾いて その度にふらついて
些細な故意がいまを蝕んでいた
今日のことを教えておくれ
なにも言わず また目を伏せる
日々の隙間に潜り込んで
僕ら さよならを誓った 今日も