現実は小説より奇なり
Motohiro Hata
読みかけの小説 閉じる 午前二時
ニュース速報の音 テロップの点滅だけが残る
テレビを消して ベッドに倒れ込む
深い夜の静寂に 僕だけが置き去り 話は進んでゆく
僕なんて 人間が不完全 何も持ってないよ
きっと 答えが怖くて はぐらかしてきたから
Ah 今 世界が終わっても
後悔はない そう言えるくらい 僕も生きられたなら
携帯画面に 点る 午前四時
常夜灯のオレンジ 翳んでく 憂鬱な夢も連れてゆけよ
いつだって 展開は不透明 何が待っているの
きっと 想像以上だろう でもページの向こうへ
Ah 物語の続きなら
痛いくらい この小さな現実の中にある
誰もいない部屋で独りきり 未来まで暗闇にまぎれても
朝の光 重いカーテンをめくる
Ah 今 世界が目覚める
二度とない 誰も知らない 僕だけの結末を見に行こう