妖のマーチ
踊る提灯ぶら下げて
実に十もの年月明けて 今集ったのだ
妖者どもよ とおりゃんせ
警か泥かの畦道は
洒落た遊具に押しつぶされた
胸のぽっかりは 枯葉の床
否 時節の柄
透き通ったガラス玉に見た夢は
ポケットの中で砕けていた
煤けた鳥居の向こう側
君もおいでよ おいでよ
雪洞の赤まで
一つ目も二つ目も
ここに集まりゃ 違いないのさ
一切合切
規則も秩序も 安物のおはじきで
一二三四
あの子の涙だってさ 弾いて頂戴
存在証明
裏返る歌留多
相対色はにほへと
君が心から笑えたあの日まで
帰りゃんせ
飽くに飽いた者ばかり
好いたほどに飽く者ばかり
誰のせいでもない
ボクらも明日を望みやしない
踊る提灯ぶら下げて
実に十もの年月明けて
今残ったのは 虚しさの骸 心の傷
楽しいことひとつポケットに増えりゃ
よろけて膝を擦りむいた
さみしんぼはなお歓迎さ
君もおいでよ おいでよ
灯籠の赤まで
土蜘蛛も 嘘つきも
悔いて直せば それでいいのさ
千年万年
天国としても 凄惨な地獄でも
一二三四
ボクら何処へいたってさ 笑っていようぜ
正真正銘
其れの行く先はいつだって其れのもの
君の見てくれが泣かない世界まで
帰りゃんせ
君が心から笑えたあの日まで
帰りゃんせ