Dry Man
He is dry
しばらく行くと
そこにカフェ'憩い'があった
その日は最低の気分と
最悪の運命をぶらさげた
最上級の男が歩いているのを
惜しいことに
誰も気づいてはいなかった
俺だよ俺...ご機嫌ななめなんだよ
He is dry He is dry
He is dry He is dry
戸越銀座一丁目は賑わっていた
カフェの一番奥の席に
一人座った俺は
一本だけタバコをふかし
一杯だけ水を飲んだ
ウェイトレスが
二杯目をつごうとした時
おいおい、俺は乾いてんだよ、
水ばっかし飲ませんじゃねぇよ!
He is dry He is dry
He is dry He is dry
コーヒーをこぼされた俺は
あまりの熱さに後ろにのけぞった
ウエイトレスは大丈夫ですか
お怪我はありませんか
などと騒いでいる
だが 待てよ ウエイトレスさんよ
怪我の心配より
まず クリーニング代だろ!
このとおり お気に入りの
白いピューマのジャージが
茶色になっちまったぜ
...それもご自慢の
股間のところがよ!
He is dry He is dry
He is dry He is dry
カフェを出た俺は
クリーニング代500円と
コーヒーが ただに
なったにもかかわらず
心はなぜかブルーだった
あのウエイトレスさえ
コーヒーをこぼさなかったら
そう思ったら股間を
茶色に染めたピューマで
歩いている俺が
ショーウィンドーに映った
...太ってる!
He is dry He is dry
俺だよ俺...とがってんだよ...
ご機嫌ななめなんだよ...
ほら、どけよ...
笑ってんじゃねぇよ...
俺だよ...とがってんだよ...
ご機嫌ななめなんだよ...
ほら!どけよ!
笑ってんじゃねぇよ!
俺だよ!俺!とがってんだよ!