朝がまた来る
Miwa Yoshida, Masato Nakamura
同じような一日が今日も始まる
となりの人が空見上げて
舌打ちする
巨大な交差点に傘が咲いていく
雨だって晴れだって
願いは届かない
あなたのいない朝は来るから
今は 信号が変われば流される
――― 思いよ 逝きなさい
後ろから来た人が
ぶつかって追い越す
ぼぉっとしてたのは
こっちなのに謝られる
冷たい雨の滴が 涙に見えた
壊れて泣いたって 願いは届かない
あなたのいない朝は来るから
今は 駅まで着けば流される
――― 思いよ 逝きなさい
誰も(誰も)立ち止まらない
街頭のニュースにも
(街頭のニュースにも)
苛立った自転車にも
雨だって晴れだって
願いは届かない
あなたのいない朝は来るから
今は 歩けない
このまま流されていたい
――― 思いよ 逝きなさい
雨なら傘持って
晴れたら上着脱いで
みんなそうして生きて行くのに
雨に打たれたい
晴れたら焼かれたい
壊れて泣いたって 願いは届かない
あなたのいない
朝が今日も明けるから
今は このまま
いつかこの思いが逝く日まで
空へ昇る日まで