白い蛇と灯台 ~後編~
chibayuusuke
白い蛇はある日小さな
ヨットを見つけた老夫婦が2人
お互いを思いやりながら
風を受けて漂っていた
白い蛇は彼らがどこに
行こうとしてるかなんて
一秒たりとも考えなかった
老夫婦もどこに行こうなんて
考えていなかった
ただ浮かんでいるだけでよかった
ある日灯台の管理人が
上まで上がってきた
彼は白い蛇に驚いて
階段を転げ落ちて死んだ
白い蛇はとても悲しかった
その日から白い蛇の目は赤くなった
でも白い蛇は灯台が好きだった
だからそこに残ることにした
そして毎日 光に包まれたり
風に吹かれたり
寒さに凍えたり 雨に濡れたりして
一生そこに住み続けた
―おしまい