サンタクロースを僕に
橋口洋平
街灯も滑らない窓に 頭もたれて
外眺めてる君
聖なる夜の中をバスはゆく
色めき立つのは
いつも携帯の中だけ
華やかな舞台など
ここにはないけど
暮らしてくだけの日々で
今日は特別な夜にしたくて
サンタクロースだなんて
僕につとまるかな
今宵 北風に 魔法をかけて
僕らの街にも やってくるよ
メリークリスマス
ささやかでも忘れられない日を
このままじゃ去年と同じで
今年もすぐに
暮れてしまうから
見上げた空に雪がちらり舞う
この想いが
全て埋まってしまう前に
子供じゃあるまいしと
白けたフリして
本当はずっと思ってる
君に何をしてあげられるだろう
サンタクロースだなんて
柄にもないんだけど
今宵 迎えに行く 雪を蹴って
寒さで赤らむ 君の頬を包めたら
今夜からはきっと違う二人
お揃いの 赤い鼻
お互いにトナカイ
キーホルダー シャラシャラと
今日だけはジングルベル
豪華でも派手でもないけれど
君の笑顔がこの夜を
どこまでも鮮やかに照らすよ
サンタクロースを僕に
まかせてもらいたくて
世界で一つの 冬の訪れ
僕らの街にも やってくるよ
メリークリスマス
ささやかでも忘れられない日を