12月の魔法

槇原敬之

今朝から僕は車を三度も磨いた
街路樹にともる灯と夕暮れの色
誰よりも綺麗に映したら
標識の側で待ってる
白い息の微笑みが
いつもよりたまらなくほころぶから
口で言うと笑うし
いい文句も浮かばないから
今夜僕が行きたい場所へ
君も連れて行く
この星のどこもかしこも
12月の魔法で
きっと きっと 素敵に違いない
寒いから冬は嫌いと君が言うから
無い知恵と恥ずかしさを
ふりしぼって
僕がいるだろって言っても
さっぱり意昧が解らず
聞き返すような
そんなとこ何よりも好きだから

僕のセーターの袖を
君がひっぱる強さで
歩く早さを決めていた
あの頃の二人が見える
12月が過ぎ去っても
僕の魔法は解けない
君が 側にいるから
この星のどこもかしこも
12月の魔法で
きっと きっと 素敵に違いない
きっと きっと 素敵に違いない

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