明けない夜が来ることはない
敬之 槇原
窓に映るのは一つ頬杖を付きながら
明けない夜を信じて
しまいそうな僕だけ
今このスタンドを消せば
世界は僕の心と同じ
上か下かも解らない
暗闇に飲まれそうだ
あまりにも違う高さの
襟もとに目がいった
僕はボタンを掛け違えたまま
シャツを着ている
例え人を責めても自分の事は一度も
省みず生きてきた
僕の本当の姿だろう
掛け違えたボタンを自分で
正せたのならば
今からでも遅くないかと
心に問いかけた その時
この暗闇を切り裂くように
光の筋が走って
この心で生きていく世界が
朝に照らされて広がっていく
同じような過ちを
誰もが持っているのは
他人を許せる広い心を持てるため
無駄なものでいっぱいの心の中から
責めるための言葉は
とにかく全部捨てよう
窓の外に植木の葉の
先にふるえる朝露
一滴の水も誰かと
分け合いたいと今思える
この暗闇を切り裂くように
光の筋が走って
この心で生きていく世界が
朝に照らされて輝いている
この暗闇を切り裂くように
光の筋が走って
この心で生きていく世界に
明ける事のない夜はない
この心の声をきっと
光は聞き逃しはしない