ただただ
Noriyuki Makihara
台風が過ぎたあとの
湿ってぬるい風が
吹き抜ける商店街
僕はふと顔を上げた
遠くに立ち並ぶ
ビルが切り取ったのは
ブルーからオレンジに
染まる夕方の空
自転車をとめて
しばらく見とれていたら
綺麗な空だよと 君のメッセージが届いた
世界がどうだとか
他の人がどうだとか
それも大事だけど
今日は君と僕が
同じ時に同じ空
見て綺麗と思えた
そのことが何より
大事に思えたんだ
答えの出ないような
問題ばかり抱えて
途方に暮れながら
とぼとぼ帰ってた
この星に生まれて
巡り会える全てが
宇宙の奇跡ってこと
すっかり忘れたまま
自転車をとばして (自転車をとばして)
今すぐ君に会いたい (君に会いたい)
ワゴンのリアウインドウが
夕暮れ連れ去る前に
世界がどうだとか
他の人がどうだとか
それも大事だけど
今日は君と僕が
同じ時に同じ空
見て綺麗と思えた
そのことが何より
大事に思えたんだ
今朝会ったばかりなのに
懐かしい顔が
買い物袋を抱えて
目を丸くしている
世界がどうだとか
他の人がどうだとか
それも大事だけど
今日は君と僕が
同じ時に同じ空
見て綺麗と思えた
そのことが嬉しかった
ただただ